クイック マシン リカバリーとは
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クイック マシン リカバリーとは
いつものようにPCの電源を入れたら、Windowsが起動しない…。多くの人が一度は経験したことのある、背筋が凍るような瞬間ではないでしょうか。大切なデータや、今日中に終えなければならない作業を前にして、途方に暮れてしまった経験は少なくないはずです。
Windows11には、こうした絶望的な状況を自動で解決するために設計された新機能「クイック マシン リカバリー(Quick Machine Recovery)」が搭載されています。

クラウドから最新の解決策を自動ダウンロード
クイック マシン リカバリー(QMR)は、クラウドベースの修復機能です。
PCが起動に失敗すると、システムは自動的にWindows回復環境(Windows RE)で起動後、ネットワークに接続され、Windows Updateをスキャンし、最新の修復オプションを探し始めます。
この機能が画期的なのは、PCに保存されている古い修復ツールに頼るのではなく、常に最新の修正プログラムをインターネット経由で適用できる点です。ローカルの回復ファイルに依存していた旧来の「スタートアップ修復」機能からの大きな進化です。古いツールでは修復ロジック自体を更新できませんでした。しかしQMRはクラウドに接続することで、マイクロソフトが提供する最新の解決策でシステムを復旧させることができます。
「システムの復元」では直せない起動トラブルにも対応
「復元」と聞くと、従来の「システムの復元ポイント」を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、クイック マシン リカバリーはそれとは根本的に異なります。システムの復元ポイントは、アプリのインストール失敗など、比較的軽微な問題が発生した際にシステムを以前の状態に戻す機能です。しかしWindowsが全く起動しなくなるような深刻なシステム障害には対応できない場合があります。
クイック マシン リカバリーは、まさにそのような重大な起動失敗のために設計されています。従来のツールでは手も足も出なかった、以下のような複雑な問題を解決するために設計されています。
- レジストリ設定の破損
- 互換性のない更新プログラムによるブートロック
- ファームウェアやセキュリティ設定との衝突
この機能は回復オプションの画面では「迅速なマシンの回復 (Let your device search for solutions to repair itself)」と表示され、以前は「スタートアップ修復 (Startup Repair)」として知られていた機能が発展したものです。
手動介入なしの自動再試行
クイック マシン リカバリーのもう一つの強力な特徴は、その粘り強さです。一度目の試行で解決策が見つからなかった場合でも、ユーザーが手動で何かを操作する必要なく、バックグラウンドで解決策の検索と適用を自動的に再試行します。
この自動修復プロセスでは、Windowsの起動を妨げている問題のあるドライバーを無効にしたり、原因となっているソフトウェアを削除したりといった、具体的な対策が自動的に行われます。ユーザーが専門的な知識を持っていなくても、システム自身が最善の策を試み続けてくれるのです。
設定を確認・変更する方法
この機能が自分のPCで有効になっているか、設定画面から確認できます。
- [Windows] + [I]キーを押して設定画面を開きます。
- [システム]→[回復]の順にクリックします。
- [回復オプション]欄の[クイック マシン リカバリー]をクリックします。

設定画面では、機能自体のオン・オフに加えて、以下のオプションを変更できます。
- ソリューションを探す間隔: 解決策を再検索する頻度です。10分から12時間の間で設定可能で、既定値と推奨値は30分です。
※この間隔を短くすると、より頻繁に解決策を探すため迅速な対応が期待できますが、その分システムへの負荷は増えます。逆に長くすると、システムはより「おとなしく」なります。通常は推奨値のままで問題ありません。 - 再起動の間隔: 再起動を試みる間隔です。180分から72時間の間で指定でき、既定値は180分ですが、より長い72時間が推奨されています。
※なぜMicrosoftはこれほど長い72時間(3日間)を推奨するのでしょうか?これは、複雑な問題の解決には、複数の修正プログラムの適用や段階的な処理が必要な場合があるためです。短い間隔で再起動を繰り返すと、これらの処理が中断されてしまう可能性があります。特に、常にネットワークに接続しているわけではないノートPCなどでは、システムに十分な時間を与えることで、より確実な復旧が期待できるというわけです。
クイック マシン リカバリーは、クラウドと連携し、より賢く、より自動化されたアプローチでシステムの安定性を守る、Windows11の進化を象徴する機能です。

























